2002年 1月〜 3月



2002年 3月23日

鶴保庸介・野田聖子両議員の結婚お披露目会を、遅ればせながら和歌山マリーナシティ内ポルトヨーロッパにて行いました。当日は大変寒い中、約3000人の皆様にお集まり頂きました。




2002年 3月14日

14年度予算の一般質疑を致しました。要旨は次の通りです。

☆北朝鮮問題
  ・不審船事件に対する政府所見
  ・北朝鮮に対する基本方針

☆京都議定書と休業
  ・COP7に望んだ政府の態度
  ・京都議定書の目標達成に向けた取り組み
  ・産業部門におけるCO2吸収の取り組み
  ・国内森林整備への取り組み状況
  ・国産材の競争力
  ・緑の雇用事業と間伐材の利用方法



2002年 2月19日

ブッシュ アメリカ合衆国大統領が来日され、参議院本会議にて演説をされました。

ジョージ・W・ブッシュ アメリカ合衆国大統領
国会演説(草稿)
2002年2月19日、東京
衆参両院議長閣下並びに総理閣下、ご列席の国会議員の皆様、ベーカー大使及び令夫人。

私と妻は、日本に到着してまだ1日と少ししかたっておりませんが、日本国民の皆様のご親切なおもてなしに感激しています。私共はこのあと午前中に天皇皇后両陛下にお目にかかる大いなる光栄を心待ちにしております。そして、米国民の尊敬の念と善意を日本国民の皆様にお伝え致します。

今から1世紀前、日米両国は、それまでの長きにわたる猜疑や不信を抱いていた時期を経て、お互いから、またお互いについて学び始めました。日本が生んだ偉大な学者にして政治家、新渡戸稲造は日米両国民のことを理解しており、そして友好の将来像を描いておりました。そして彼は「太平洋の架け橋とならんことを欲す」と記しております。

その「架け橋」はすでにできております。1人の力ではなく、日米両国の何百万という人々の力によって。

今回の私のアジア訪問はここ日本から始まりました。それには重要な理由があります。過去半世紀の間、日米両国は近代史における偉大かつ永続的な同盟関係を築き上げてきました。この同盟関係から、太平洋地域における平和の時代が生まれました。そして世界は、この平和の中で、東アジア全域の繁栄と民主主義の大きな進展を目にしてきました。

日米同盟は、その誕生の時から、「共通の利益」、「共通の責任」そして「共通の価値観」に根差してきました。日米両国民の友好と信頼の絆は、「9月11日」以来、それまで決してなかった程、明白なものになっています。米国は、日本国民と日本政府から示された哀悼の意と共感に対し感謝しています。私たちはまた、テロ犠牲者の遺族のために愛媛県民の皆様からご寄付をいただいたことに、特に心を打たれました。愛媛県民の皆様ご自身がごく最近あのような損失を被ったにもかかわらず、我が国の損失に対して共感の気持ちを示して頂いたのです。この事実は友情のしるしとして、米国民は決して忘れることはありません。

昨年の秋に上海で、私は小泉総理から特別な贈り物をいただきました。それは箱に入った日本の矢で、箱には「悪を倒し平和を地球にもたらす矢」と書かれていました。「これは自由の存続を確保するために、勝利しなければならない戦いだ」と総理は私に話してくれました。

私はそのとき総理に断言したことを今日皆様に断言します − 自由は勝利すると。文明とテロは共存できないのです。テロを打ち破ることによって、われわれは世界の平和を守るのです。

日米両国はテロリスト組織を探し出し、粉砕すべく努力しています。日本の外交当局は国際的反テロ連合の構築を支援し、日本の自衛隊は後方支援という重要な役割を担っています。また日本はアフガニスタンを解放された国として復興させるべく寛大に支援しています。

テロの脅威に対する日本の対応は、両国の同盟の強さと日本の不可欠な役割を実証しています。この役割はアジアから始まり、全地球的な広がりをもっています。

この地域の成功は全世界にとって不可欠であり、21世紀は太平洋の世紀になると私は確信しています。

日米両国は、自由な太平洋国家の共同体としてのアジア・太平洋地域の将来像を共有しています。

我々は平和な地域を求めています。いかなる国も、またいかなる国々の連合も他の国々の安全や自由を危険に陥れることのない地域、そして軍事力が政治上の紛争解決に行使されることがない地域を希求しています。

我々は、ミサイルや大量破壊兵器の拡散がもはや人類にとって脅威とならない平和な地域を求めています。

両国は経済的にも政治的にも強固な協力体制を備えた地域 − 地球規模の貿易と投資に開放された地域 − を目指します。それは、障壁が取り除かれ、人、資本、情報が自由に行き来する地域であり、前進の絆、文化的結びつき、そして民主主義への機運を創造する地域です。

両国が求めるのは、非武装地帯とミサイル発射台が共通の遺産、共通の未来を持つ人々をもはや分断しなくなる地域です。

このビジョン − 自由な太平洋国家の共同体 − を実現するには、日本と米国が従来以上に緊密に協力することが必要です。我々の責任は明白です。幸いなことに、両国の同盟は以前にも増して強固なものとなっています。

日本と同様、米国は太平洋国家であり、貿易、価値観、そして歴史によってアジアに引き寄せられ、アジアの将来の一翼を担う国家であります。そして米国は、この地域における前方のプレゼンスに以前にも増してコミットしています。米国は、フィリピン、オーストラリア、そしてタイを支援する上で、引き続き、その力と決意を示していきます。我々は韓国に対する侵略を阻止する。日本と米国は、共に安全保障面の絆を強めていきます。米国は台湾の人々への約束を決して忘れることはありません。そして、この地域の人々そしてあらゆる地域の友邦、同盟国を守るため、効果的なミサイル防衛計画を推進します。

米国は友邦と同盟国を支持するにあたり、他国との紛争は想定しておらず、また脅威を及ぼす意図もありません。

数日後に、私は中国を訪問します。日本と同様、米国も、安定かつ繁栄し、近隣諸国と平和な関係にある中国を歓迎します。米国は、テロとの戦争における中国の協力に感謝しています。日米両国は、中国の世界貿易機関(WTO)への加盟を支持しました。両国はまた、我々の子供や孫たちのために繁栄し安定したアジアを築くという偉大な作業において中国と協力していくつもりです。

中国は米国をよき貿易相手国と見なすでしょう。また中国は偉大な国家として米国から尊敬されるでしょう。さらに中国は、米国が法の支配、良心と信仰の自由、あらゆる人々の権利と尊厳という普遍的価値観を唱道する国家であることを知るでしょう。

それらは米国の価値観であり、また日米同盟の共通の価値観です。米国と日本は脅威と侵略に対抗するため結ばれたのです。また両国は発展途上世界で苦しむ人々に支援と希望をもたらすため結ばれています。

また米国と日本は世界の2大経済大国であり、経済援助、人道援助を最も寛大に供与しています。日本の経済開発に対する真剣な取り組みは、世界でよく知られ敬意を払われています。また日本の国連、世界銀行、先進8カ国首脳会談(G−8)等の国際機関での指導的な役割も同様に敬意を払われています。

執拗な貧困、はびこる文盲、恐ろしい疾病等、開発にとっての課題は、しばしば根が深く、困難な問題であります。資金は必要ですが、資金だけではこれらの問題は解決されないでしょう。永続的支援とは、それらの国々に誠実な政府、有効な法の執行、質の高い学校や病院、そして成長する経済を実現することです。進歩には長期的な関与が必要であり、われわれはその関与を実行しなければなりません。

日米両国は数カ月の内に、開発の焦点をあてた2つの世界サミットに参加することになっています。日本と米国は、民間とのパートナーシップを拡大させ、国際金融機関を改革し、アジア、アフリカ、中東の子供達のために教育の機会を改善するべく尽力しなければなりません。私達のすべての努力において、資源は最も効果を発揮するところ、つまり援助の対象である人々や地域社会に投入されなければなりません。

日米両国はそれぞれ固有の長所を持っており、その長所を合わせて世界に貢献できる類稀な機会も持っています。例えば、科学の分野では、環境を保護しつつエネルギーを生産する新しい技術を研究しています。また医療の分野ではヒトゲノムの研究を進めており、寿命を延ばし苦痛を緩和する治療法の発見に近づいています。

日本は、世界においてこれらの関与や指導力を維持できるかのかと一部の人に疑問を抱かせるような経済の不確実性を抱え、経済の移行期にあるにもかかわらず、これらのすばらしい貢献をしています。私は全くそのような疑問は抱いてませんし、最も偉大な日本の時代は、これから訪れると確信しています。

日本には、世界でも最も競争力のある企業があり、また世界で最も高い教育を受け、最もやる気のある労働者にも恵まれています。日本では、私の友である小泉総理のお陰で改革が進んでいます。私は、小泉総理との関係を価値あるものだと思っています。総理は、日本のエネルギーと決意を体現しておられる指導者です。総理と私は、多くの良い会談を持ってきました。私は総理を信頼しており、総理のユーモアのセンスを楽しんでいます。私は総理を親友だと思っております。なぜなら、総理は投げられた球をすべて打ち返すことができるからです。

過去においては、我々米国も経済問題を抱えてきました。1970年代後半から1980年代前半にかけて、米国の競争力は弱く、銀行は問題を抱え、高い税率と不必要な規制がリスクを冒す活動に水を差し、革新を抑えていました。

米国はこれらの困難を、減税と規制緩和によって克服しました。不良債権を市場に出して、新たな投資を可能にしました。改革を進めるにつれて、外国の投資家、特に日本の投資家は米国を再び信頼するようになりました。経済危機、不振に陥ってる時には、古いやり方で再びうまくいくようになることを期待して待つより、改革とリストラを大胆に進める方が良いのだということを学びました。大胆な行動によって、米国経済はより良い、より強い経済として復活しました。日本経済に関しても同じ事が起こるでしょう。過去数年、米国は日本への投資を増やし、日米両国の結びつきを強め、日本の将来への信頼を強めてきました。

日本は革命によってではなく、維新をおこなうことによって前進するという誇るべき歴史を持っています。

明治維新の英雄である福沢諭吉は、西洋世界を変貌させた経済理念を学びました。福沢はこれらの経済理念が繁栄を触発し、何百万という人々を貧困から救っていることを目にし、これらの経済理念を日本に紹介しようとしました。そこで彼は、ある影響力の大きかった経済学の教科書を日本語に翻訳しようとしたのです。そこで、「コンペティション」という英語の言葉が出てきたのですが、それに相当する日本語はなかったのです。そこで、彼は「競争」という新しい言葉を作り出しました。それによって日本語は、以来より豊かなものとなりました。

しかし、「競争」は単なる言葉と言うだけではなく、精神的且つ倫理的意味合いを持っています。競争は改革を推し進める原動力であり、自由主義国の国民の潜在能力を開花させます。1世紀以上も前、競争は日本が自国経済を近代経済へと推進する手助けともなりました。半世紀前、この競争が世界も称賛した戦後の奇跡的経済を加速させました。

日本は今、新たな維新に乗り出しました。これは、抜本的な改革と競争の全面的な導入によって実現する繁栄と経済成長の回復という維新であります。

自由を守り、開発を促進し、改革を推進するといった日本を待ち受ける将来の作業において、日本は米国政府という強い味方を、そして米国民という揺るぎない友を持っています。

ご清聴ありがとうございました。

(米国大使館提供非公式日本語訳)



2002年 2月 8日

参議院本会議場におき、第154回通常国会の施政方針演説に対する代表質問を、最年少で行いました。全文を掲載致します。

私は自由民主党、保守党を代表して小泉総理の施政方針演説に対し総理ならびに関係各大臣に質 問をいたします。
改革断行内閣と銘打ってスタートした小泉内閣も二年目に入りました。総理の改革にかける情熱は国民の多くの共感を得、いくつかの前進をみたところですが、まだ道半ば、これからも支持率の高低にはこだわらず、断固とした決意を固めていただきたいと思います。
総理はこの度の施政方針演説においてわが国が目指すべき社会として「努力が報われ、再挑戦できる社会」という明確な理念をさししめされました。しかし、日本はなぜ今こうした社会を目指さねばならないのか。いつまでに改革の工程を終えなければならないのか、またそれにしくじったらばどうなるのかということにはまだ言及がたりないのではないかと思います。
国民に対し、痛みに耐えよ、こぞって改革を決意せよというなら、総理はこうした哲学を説かれるべきです。
まだまだ日本には底力があるのだから、いそがなくてもすこしずつ、部分的に改革していけばいいと総理はお考えですか。改革が志半ばで倒れてしまうか否かはいつに総理の描くグランドデザインが国民の共感を得られるか否かにかかっていると思います。
今日本は重大な変革期にある、との認識は多くの国民がみな共有するところであります。国民を信じて大いに語っていただきたいと思います。
私たち政治家にもこうした理念に基づいた政策が求められています。
まず経済です。総理の理念に従えば、努力が報われることを実感できるような税制改正をはじめ、会社を必死でたてなおそうと汗をかいている経営者、従業員の努力が報われる社会を作らねばなりません。
企業の再生などについても制度インフラの整備を進めることによって再挑戦ができる社会をつくるということを意味すると拝察いたします。また、再挑戦するために起業をしやすくする規制緩和も必要です。そしてその裏付けとなる金融部門の整備は焦眉の急です。
特にデフレ・スパイラルの瀬戸際にあるともいわれるこの不景気の中で、車の両輪である事業会社と金融機関にたいしてどのような再生のための制度インフラの整備が行えるかが重要であります。
事業会社再生のためのプロジェクトファイナンス、とりわけDIPファイナンスなどは今後ますます活用されねばなりませんが、その環境整備としていわゆるアメリカチャプター11のような法整備の可能性など今後の事業会社の再生の具体策について総理大臣におたずねいたします。
また、金融機関の再生策については不良債権の処理が急がれる中で、特に今年度から来年度にかけては大口社債の借り換え時期が重なっているとの指摘が有ります。一方、銀行は生き残りをかけた合併の結果、不良社債の保有には慎重になっているともいわれます。偶然が重なったとはいえ、こうした厳しい状況下で、果たして本当に不良債権処理が進むのか危ぶまれています。
債権の株式化や公的資金投入の際に提出を求める事業計画の見直しなど具体策の有無をお聞かせ下さい。
次に、外交問題について、質問いたします。
内外の諸問題が存在する困難なこの時期に外務大臣に就任された川口大臣にはなみなみならぬ意気込みが必要です。
アフガン支援政府代表の緒方貞子さんは日本の外務大臣は国会対策とか、内政中心で、海外からは存在感がないことが最大の問題と指摘がありましたが、外務省改革との要請のなかでこれからは難しい調整が必要になっています。豊富な海外経験とリーダシップを発揮し、大いに腕を振るっていただきたいと思います。
しかし、一つ残念なことはこの度の演説のなかで、国益という言葉はついぞ聞き及びませんでした。
一国繁栄主義が成り立たないのは当然のことですが、国際社会が現実には各国の国益追求なくして存在していないことも受け止めねばならないと思います。
今日のいくつかの外交政策では国民感情と乖離しているかの印象を受けざるをえないものもある一方で、国益は経済的観点からとらえるだけでなく、地理上、歴史上の考察を含めて戦略的な視点が必要なはずです。そうした大きな意味での国益を守っているという事を国民に示すことこそ、大臣のおっしゃる国民に理解され、国民に支持される外交につながると考えます。
たとえば、昨年の12月に起きた不審船事件において、国民の多くはこうした不審船がいかなる経緯でなにを目的にして潜入してきたか、おおいに関心があると思います。
しかし、これをひきあげる事について政府は明確な方針を指し示していません。なぜ引き上げが難しいのか。交渉の経緯、方針を大臣にお伺いしたいと思います。
また、アフガンの復興会議等で積極的にイニシアティブをとっていくことは非常に重要な事であると認識いたしております。しかし、たとえ復興が国際社会の一時的興奮のなかで騒がれていたとしても、我が国は冷静にこれからのアフガンとの国交を戦略的に洞察する必要があるのではないでしょうか。かかる観点からアフガン支援は、行うなら食料農業分野の支援を重点分野のひとつと位置づけるなど、自立につながる支援を行う必要があるのではないかと思うがいかがでしょうか。大臣の見解を伺います。
歴々たる諸先輩にまじって質問をさせていただいております私は、おそらく議員としても年少に属するでしょう。しかし、私以下の世代は戦争の歴史を教育のなかでしか実感できません。我が国が日中国交正常化三十周年を記念して、相互理解、相互信頼を醸成するとのことですが、必ずしも中国国内での日本人へのイメージ教育は相互信頼を生み出すものとはいえない部分も有るように思います。
新たな世代がこの国を担う様になった時、対等に相互信頼を得るためには、たとえば他国内の歴史教育がどのように行われているか、政府はしっかりとこれに注視していく必要があるのではないでしょうか。
これは文部科学省のみの問題ではなく、外務省のいう相互信頼を醸成する重要な外交事務の一つではないかと思います。外務大臣の見解をお伺いいたします。
総理は再挑戦するという理念を目指されましたが、私は、もう一つ、その理念とは表裏一体のものとして、安全セーフティネットの充実という事も重要ではないかと思います。挑戦というものは最低限のセーフティネットが敷かれていて初めてなし得るもので有るはずです。
従って労働分野における雇用の流動性確保に関する諸施策の整備、福祉分野における、国民が安心して暮らせる社会、将来に不安を感じることのない社会の構築は決してゆるがせにはできません。
特に、医療、保険制度においては昨年11月に決定された医療制度改革大綱に基づき、医療制度の抜本的改革がすすめられることとなります。その中で三方一両損の名のもとに個人負担の割合を一律三割にする方針が示されていますが、「改革なくして負担増なし」という考えのもと総理はどのような改革案をもっているか、その内容と具体的スケジュールをお聞きしたいと思います。
また、保守党が主張する、消費税を社会保障に使用するための目的税化も、恒久的改革案としては是非とも検討されるべきです。
消費税を社会保障目的税として、基礎年金、高齢者医療、介護の財源に使用するという保守党の主張は、さきの大綱においても「新しい高齢者医療制度の創設」という形で論議を進めることが決定されておりますが、今回提出を予定している健康保険法の改正案においてもその方向性を明示すべきと考えますが総理の見解を伺います。また、併せて、消費税そのものの改革として、益税の解消、インボイス方式の導入など改革を行うとともに、飲食品等については軽減税率をもうけることの方向性を明示してはどうかと思いますが、ご見解をお伺いいたします。
総理。もう一つ国家のグランドデザインをお伺いせねばなりません。
それは都市と地方、特に国土の約半分を占める過疎の地方をどうするかであります。都市と地方のありようをどのように調和させて、この国土の未来を考えておられるか。こうした理念なきまま、経済の合理性を持ち出すことはそれこそ抵抗があるといわざるをえません。
国土の均衡ある、あるいは調和ある発展というのが、開発至上主義ではないことは当然としても、ふるさとを愛していながら目立った産業がないために郷土をあとにしなければならない事情を、どうお考えになりますか。総理のお考えをお伺いいたしたいと思います。
また最近では特に地方の市町村での合併が問題となっています。総合的、広範囲の行政サービスがもとめられるようになったからとか、行財政基盤の充実をはかるためであるとか、関係市町村が足腰の強いものとなるためにということですが、市町村によっては今ひとつ切実な問題として受け止められていない雰囲気もあるようです。改めて総理から、合併の理念と必要性についてお伺いし、併せてこれからは市町村だけでなく府や県の合併も必要なのではないかと思う点について、総理のお考えをお聞きしたいと思います。
こうした地方では多くの場合、主産業が農林水産業です。そしてこうした産業の具体的な指針が問われています。総理のいう、努力の報われる社会とは農林水産業の分野においてはどのような具体論、方策でこれを担保するのでしょうか。
特に林業は、戦後の住宅需要に応える形で植林がなされてきました。こうした人工林の多くがわずかな人口の過疎地域に集中し、外材との競争のなかで、伐採すればするほど、赤字を生み出す構造的悩みを抱えています。
戦後五十年を経て、こうした森林が伐期にきている今、いかにしてこうした構造問題を救いうるか、経済の合理主義に於いてはやむをえないとお考えならば、環境という観点からこれらの山林をどう守っていくおつもりか、お伺いしたいと思います。
木を育てることより息長くつとめなければならないのは人を育てることです。
私は以前ベトナムへ出張した際、現地の青年にこれからの夢は何ですかときいてみたことがあります。彼はアメリカへ行って自分の可能性を試したいと希望を語ってくれました。聞くと彼はアメリカとの先の戦争で父親を亡くし、母は片足を切断されていたそうで、それでも可能性のあるアメリカにあこがれる様子はこの国にある大きな問題を突きつけられたような気がいたしました。「アメリカという国は憎い。でも夢は捨てられない」とかたった青年の情熱。
総理、現在の我が国の教育には何がかけているのでしょうか。総理は演説のなかで日本人としての誇りと自覚を持ち、新たなる国造りを担う事のできる豊かな個性と能力を持った人間に育つようにといいます。
しかし本当に必要なのは総理のいう再挑戦できる社会を作るためになんど挫折してもくじけない意欲をもった人間をそだてることではないでしょうか。総理の見解を伺います。
最後に、努力が報われ、再挑戦できる社会をという総理の理念がいまこそ問われている時はありません。
人の幸せを定義するのははなはだ困難ですが、人生いかにいくべきか、の哲学なくして、政治はないと思います。
総理が総理自身の哲学をお持ちになってその実現のため努力されていかれることをわれわれも全力で支えていきたいとおもいます。
ただし、この場合は国民に与える影響を考えると簡単に再挑戦というわけには参らないこと。それだけの覚悟を持って当たっていただきたいことを申し添えて質問をおわります。


内閣総理大臣 小泉純一郎

鶴保議員にお答えいたします。
激励をいただきまして、ありがとうございます。
努力が報われ再挑戦ができる社会についてお尋ねでございますが、我が国経済はこの十年間、バブル経済が崩壊して低迷が長期にわたって続いております。
こうした中、過去、累次にわたる経済対策、これの効果、反省を踏まえながら、今後は持続的な成長につながるような施策をしたいということから、改革なくして成長なし、こういう方針の下に、今、構造改革を推進しているところであります。
この改革が目指す社会は、個人が自由な創意工夫の下に能力と個性を発揮し、存分に活躍できる仕組みを備えた社会であり、人々の努力が報われることが重要と考えております。また、失敗した場合にも、それにくじけず立ち向かっていけるようなセーフティーネットの整備に万全を期す、そして安全で安心に暮らせる社会の実現を図っていきたいと思います。このような考え方は、閣議決定した「改革と展望」や、これまでの所信表明演説においても明らかにしているところであります。
DIPファイナンスのお尋ねでございます。
平成11年に、アメリカの裁判上の再建型手続、チャプターイレブンを参考とした民事再生手続を創設したところであります。引き続き会社更生手続などの見直しを行っており、その中で、裁判上の再建型手続を取る企業向けの再建支援融資、いわゆるDIPファイナンス、これに関する法整備の問題も取り上げております。今後、このような再建支援融資の利用状況を踏まえ、更に検討を進めてまいりたいと考えております。
不良債権処理の具体策についてでございますが、金融機関の不良債権については、厳格な資産査定、破綻懸念先以下の債権の最終処理といった従来からの施策に加え、整理回収機構を活用した不良債権処理と企業再生、債権の株式化を活用した企業再建を促進するための基金の設立等の取組を実施しております。本年度中にも日本政策投資銀行や民間企業による企業再建基金の設立が予定されているなど、不良債権処理の促進に向けた着実な動きが見られるところであります。
これらの取組と併せ、他の分野における構造改革を進めることにより、経済構造改革の集中調整期間の終了後の平成16年度には不良債権問題を正常化するよう、全力を尽くしたいと思います。
医療制度改革についてでありますが、この医療制度、少子高齢化の社会に向けても、この国民皆保険制度を支える基本原則は変わりありません。患者さんの負担、保険者の負担、そして公費。税金で負担するのか、保険料で負担するのか、さらに患者さんの負担にするのか、この組合せしかないんです。この組合せを適正にすることが大事だと思っております。
そして、こういう改革に併せて、医療提供機関、診療情報、医療機関情報に関する規制改革、さらには日ごろから病気にならないための予防、健康づくり、これを推進することが大事だと思っています。同時に、医療保険制度の体系、高齢者医療制度、診療報酬体系の見直しなどの課題につきましても、平成14年度中に検討を進めまして、その基本方向を明らかにしてまいりたいと思います。
消費税を社会保障目的税とすべきではないかというお尋ねでありますが、これを社会保障目的税にしますと、消費税は確実に上がります。消費税を上げることに対して国民の合意があるかどうか、その点を見極めなきゃならないと思います。
いずれにせよ、消費税の問題につきましては、これからの税制改革の中におきまして、単なる消費税だけじゃない、所得税も法人税も地方税も、特定財源すべて総合的に見直して、あるべき税制改革はどういうものか、活力ある21世紀の社会に向けてどのような税制がいいかという中で、いろいろ議論をしていただきまして、1つの結論を出して、15年度予算に反映していきたいと思っております。
地方の産業についてのお尋ねでありますが、地方経済の発展は我が国経済の基盤であります。これまでも、国土の均衡ある発展を目指して、工業、サービス業などの再配置を促進する施策を講じてまいりました。今後も、これらの施策に加え、地域の自律的発展を目指して、地域経済を支える新事業の創出を積極的に推進し、地方における魅力ある雇用機会の創出に努めてまいります。
 市町村合併についてですが、地方行政の構造改革を進め、地方分権を推進する上で極めて重要な課題であると認識しております。既に二千を超える市町村が合併を検討していますが、今後とも、より一層強力に推進いたします。
府県の合併につきましては、地方分権が一層進展し、また市町村合併が進む中で、広域的な行政を担う都道府県の在り方について、見直しを行うべき時期が来ると考えられます。将来の地方自治制度の在り方について、府県合併も含め、中長期的に十分な研究を進めることが必要だと思います。
森林・林業の問題についてでございますが、森林・林業の問題について、昨年6月に成立した森林・林業基本法及び昨年10月に策定した森林・林業基本計画に基づき、森林の有する多面的機能を持続的に発揮させるため、森林を重視すべき機能に応じて水土の保全、人との共生、資源の循環利用に区分して、その育成や保全を図るとともに、林業担い手への作業や経営の集約化等により、林業の健全な発展を図るとしているところであります。
政府としては、望ましい環境の創出を基本として、森林・林業政策を展開してまいりたいと思います。
現在の教育に何が欠けているのかということでございますが、我が国の教育は経済社会の発展の原動力になってきたと思います。しかし、一方、過度の画一主義による個性、能力に応じた教育が軽視されていると、そういう批判もいろいろ指摘されております。
私は、今後の教育改革の一環として、子供たちが日本としての誇りと自覚を持ち、新たなる国づくりを担うことのできる豊かな個性と能力を持った人間に育つよう、教育改革の推進に全力を尽くしてまいりたいと思います。
残余の質問については、関係大臣から答弁させます。


国務大臣 川口順子

外務省改革を進める決意についてお尋ねでございますけれども、外交の任を担っていく上で重要なことは、外交が国民に理解され、国民に支持されなくてはならないということです。
私は、昨年の一連の不祥事を踏まえ、何よりも外務省改革の推進が重要と考えています。私は、外務省改革に既に着手をいたしました。先般、3つの考え方を示しまして、外務省改革に関する骨太の方針を約1週間で取りまとめ発表したいとの方針を省の内外に対して述べました。現在、この方針を鋭意検討中です。
我が国の外交方針についてのお尋ねですが、私は、我が国の安全と繁栄を確保すること、またその基盤となる国際社会の平和と繁栄を実現することが外交の最優先の課題、すなわち国益を守ることであると考えています。御指摘のあった戦略的視点も踏まえ、こうした課題に積極的に取り組んでまいります。こうした取組が国民に理解され、支持される外交につながると考えております。
不審船の引揚げについてのお尋ねですが、今回の事件につきましては、関係当局において鋭意捜査を進めております。引き続き事実関係の解明に向けて全力を尽くすものと承知しております。
これまで、船体の引揚げ、潜水調査を行っていませんが、この季節における現地海域の気象条件の下では困難なためであると聞いています。現場は我が国が事実上中国の排他的経済水域として扱っている海域であることから、中国とも調整を図りつつ、適切に対処してまいります。
アフガニスタン復興支援についてお尋ねがございました。
我が国のアフガニスタン復興支援としては、東京で開催したさきのアフガニスタン復興支援国際会議の成果を踏まえつつ、今後、難民、避難民の再定住、地域共同体の再建、地雷、不発弾の除去、保健・医療、教育、女性の地位向上などの問題を重点分野として支援を行っていく中で、現地のニーズを踏まえつつ、農業分野などについても必要な支援を幅広く検討していく考えです。
他国の歴史教育についてお尋ねですが、外務省としても、これまで諸外国の歴史教育における我が国の扱いぶりには注意してきており、外務省認可の公益法人である国際教育情報センター等を通じて、教育資料の収集、調査等を行ってきております。今後とも、その努力を継続してまいりたいと存じます。



2002年 1月30日

東京・帝国ホテルにて、政財界より約2000名の皆様にお集まり頂き、鶴保庸介・野田聖子両議員主催のもと、初春の集いを行いました。
責任の重大さを感じ、今後の国政・県政に邁進致す所存でございます。